ESP-WROOM-02 DIP化キットで実験用ボードを作る
この前の記事で触れた『超特急Web接続!ESPマイコン・プログラム全集』という本を読んだ。もともとやりたかった、電池駆動の方法も載っている。原理というよりも、実際の利用例が回路図やサンプルコードとともにたくさん掲載されている。自分のような素人でも、とりあえず真似をすればすぐに作れそうな感じ。サポートページと GitHub リポジトリは以下の通り。
- 超特急Web接続!ESPマイコン・プログラム全集 サポートページ by 国野 亘
- bokunimowakaru/esp: ボクにもわかるIoTモジュールESP-WROOM-02 ESP-WROOM-32
第1章では、ESP-WROOM-02 書き込み用・実験用のボードをブレッドボード上に実装する。初心者なので、まずはこれに従ってそのまま作ることにした。
ちなみに、今まで違いがよく分かっていなかったが、
- ESP8266EX:Wi-Fi 機能搭載のマイコン
- ESP-WROOM-02:ESP8266EX にフラッシュメモリとアンテナをつけたもの
- ESP-WROOM-02 DIP化キット:ブレッドボード上で扱いやすくするために、ESP-WROOM-02 に足(ピンヘッダ)をつけたもの
ということらしい。なるほど。
はんだ付け
ブレッドボードを使うので基本的にははんだ不要だが、ESP-WROOM-02 DIP化キットと、USB シリアル変換モジュール AE-FT234X のピンヘッダははんだ付けをする必要がある。はんだ付けに必要な道具を持っていなかったので、ネット上の情報を参考にしつつ、適当に一式買い揃えた。今後どこまで使うかまだ分からないので、手頃なものを。
セラミック式の方が温度の立ち上がりが良くて使いやすいとのことだったので、ハッコーDASH FX650-81 にした。温度調節可能なものの方がおすすめらしいが、そこまでいくと数千円高くなってしまう。こて先は C2 型が使いやすいとのこと。それに加えて、安定感のあるほどほどのこて台を。
鉛入りのはんだと、不要なはんだを取り除くための吸い取り線。
このあたりの動画を参考にしてピンヘッダをはんだ付けした。
ブレッドボードに実装
部品は秋月電子で注文。全部で2,000円弱で、それに送料が500円。ちなみに、ESP-WROOM-02 DIP化キット自体は650円。サポートページにレギュレータの代替品についての参考資料という PDF があったので、それを参考にしてレギュレータを TA48033Sに置き換えた。一緒に使う電解コンデンサ・セラミックコンデンサも買ったのだが、秋月電子の TA48033S にはそれらが同梱されていたので、別で買う必要はなかったようだ。
14行目右から (-) に伸びている緑の線は不要な気がするが、何か意味があるんだろうか?
タクトスイッチは Osoyoo のキットに入っていたものを使い回せばいいかと思っていたが、いざ組んでみると一回り大きかった。なので、本で紹介されている実験用ボードの配線とは若干ずれている。
レギュレータと USB シリアル変換モジュールを差し込めば、こんな感じ。
ちなみに、最初は試したときは次のシリアル通信ができなくて焦った。テスターで電圧を調べたら、レギュレータの向きが逆だったことが発覚。正しい向き(刻印面が左を向く。ピンは上から入力、GND、出力の順)に差し直したら正常に動くようになった。
Mac からシリアル通信をする
USB シリアル変換モジュール AE-FT234X を、USB ケーブルで MacBook に接続。すると、USB シリアル変換モジュールの青い LED が点灯した。かなりまぶしい。Mac の System Information を開いてみると、FT230X Basic UART
としてちゃんと認識されている。自分の環境では、ドライバのインストールは不要だった。
$ ls -l /dev/*usbserial* crw-rw-rw- 1 root wheel 18, 5 2 6 19:09 /dev/cu.usbserial-DM02NA6M crw-rw-rw- 1 root wheel 18, 4 2 6 19:09 /dev/tty.usbserial-DM02NA6M
Mac からシリアル通信をしたい場合は、screen
コマンドを使えばいいらしい。
$ screen /dev/tty.usbserial-DM02NA6M 115200
最初は何も表示されないが、リセット(上のタクトスイッチ)を1秒程度押して離すと、再起動されて ready
と出る。購入直後の ESP8266 では、AT コマンドというものが使えるらしい。試しに AT
と入力してみると、OK
という応答が返ってくる。
AT
の後の改行は、Enter を押してから Ctrl+J も入力する必要があるので注意。ESP8266 は CR+LF を期待しているようだ。
AT+GMR
コマンドを使うと、バージョン情報が表示される。
AT+GMR AT version:1.6.2.0(Apr 13 2018 11:10:59) SDK version:2.2.1(6ab97e9) compile time:Jun 7 2018 19:34:26 Bin version(Wroom 02):1.6.2 OK
ただしこの AT コマンド、Arduino IDE でプログラムを書き込むと使えなくなる。ということで、深入りはしないことにする。
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- 作者:国野 亘
- 発売日: 2019/01/22
- メディア: 単行本